考える

研究者にも必要なマーケット感覚

僕たち研究者は論理的思考を得意としている。

研究に向き合う中で自然と身につけた論理的思考を多くの研究者が持っているはずだ。

僕たち企業に所属する研究者は世の中の課題を解決するために働いている。

誰かが困っていること、助けて欲しいことに科学的な解決法を提供することが目的だ。

では、世の中の課題を解決するためには得意とする論理的思考で事足りるのかと問われるとそれは否だ(と思っている)。

論理的思考と対になる「マーケット感覚」これこそが先述のギャップを埋める能力であり、本書のテーマだ。

著者のちきりん氏は日本の女性ブロガーで、「Chikirinの日記」が人気を博している。

証券会社やコンサンルティング会社を経て今では執筆活動に専念。

「自分のアタマで考えよう」という論理的思考をテーマにした本が出版されており、本書のテーマであるマーケット感覚とセットで身に付けることで、現代を生き抜く強力な武器になると主張している。

余談だが、ちきりん氏のツイッターはちょっと辛口でおもしろい。

話を戻すと、僕たち企業研究者にとって、これから必要不可欠な能力になってくるのがマーケット感覚なのだと思う。

良いもの(良い技術)を作れば売れる時代は終わったとよく聞く。

ものづくりの最上流にいる企業研究者にとって、ものだけに目が行きがちだけどそうではない。

そもそも「良い」の物差しが顧客ではなく作り手側にある時点できっとマーケット感覚がないのだと思う。

こんなマーケット感覚を本書では「婚活市場」「ダイソンの掃除機」「ジャパネットたかた」など身近でわかりやすい例を元に解説されており、マーケットから遠い位置で仕事をしている研究者にも学ぶことが多い。

どうすれば良いのか。

本書では5つの方法が紹介されており、その一つとして意思決定の違いが挙げられている。

会社組織と市場の意思決定方法の違いは、組織が「決めてから→やる」のに対し、市場は「やってみてから→決める」という点にあるという。

変化に対し柔軟になって、失敗も積極的に受け入れる必要があるとのこと。

この考えはHARUさんの記事でも紹介されていますので、ぜひみてほしい。

紹介した本マーケット感覚を身につけよう ちきりん 著、ダイヤモンド社
ページ数263ページ
読んだ時期2017年ごろ
おすすめターゲット層これから何が売れるのかわかりやすく論理的に知りたい方

Maru

-考える

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