こんにちは、Hideakiです。
今日御紹介するのは、「日本の戦後を知るための12人 池上彰の<夜間授業>」です。
タイトル | 日本の戦後を知るための12人 池上彰の<夜間授業> |
著者 | 池上彰 |
出版社 | 文藝春秋 |
発売日 | 2019/11/13 |
ページ数 | 243ページ |
読んでほしい人 | カリスマと呼ばれる人の何がすごくて、何が問題なのか知りたい人 |
なぜこの本を読んだか
大人気のYouTubeチャンネル、「中田敦彦のYouTube大学」を御存知でしょうか。
僕は特に初期の頃が大好きでよく見ていたのですが、その中で紹介されていたのが本を手に取ったきっかけです。
本の表紙に書かれている名前、特に堀江貴文、田中角栄、小泉純一郎、池田大作など、気になるビッグネームが並んでいたので、直接自分でも本を読んでみたいと思っていました。
本の概要
この本は、2018年4月から2019年3月までの間に文藝春秋西館にて全10回行われた、池上彰さんの講義をまとめたものです。
池上さんはニュース解説番組の深くてしかもとても分かりやすい解説で知られる一方、「池上無双」というネットスラングに代表されるように、権力者に動じない鋭く厳しい切り口を持つジャーナリストでもあります。
この講義の中でも、例えば渡邉恒雄の回には明らかに読売新聞の関係者らしき人物の姿が散見されたり、池田大作の講義では創価学会員や反学会員の方々が多く参加されていたようです。
そんな緊迫感の中で冷静に事実を伝え、時に断罪する際のドキドキハラハラする聴衆の様子は文面からもひしひしと伝わってきました。
何年か前、日本分子生物学会のパネルディスカッション「池上彰と考える―これでいいのか日本の生命科学研究―」で池上さんがコーディネーターとして参加されていましたが、その際にもパネラーに鋭く厳しく質問をされ、ドキドキワクワクした時のことを思い出しました。
こういう姿を見ると、ジャーナリストってカッコいいなぁと思います。
さて、本書で取りあげているのは以下の10人です。
・田中角栄
・江副浩正
・小泉純一郎
・中内功
・渡邉恒雄
・堤清二
・村上世彰
・堀江貴文
・石原慎太郎
・池田大作
・上皇陛下
・上皇后 美智子さま
いかがでしょう?どなたに興味が惹かれましたかね。
僕は上述の通り、堀江貴文、田中角栄、小泉純一郎、池田大作といった方々が気になりました。
逆にお恥ずかしながら、江副浩正、中内功、堤清二についてはこの本を読むまで聞いたこともありませんでした。
ちなみに江副浩正はリクルートの創業者、中内功はダイエーの創業者、堤清二は元セゾングループ代表です。
面白いのは、どの方々も聖人君子というよりは世間から様々な批判を受けながらも世の中に影響を及ぼしてきた、ということです。
中には倫理観を疑うようなエピソードもあったりします。
例えば石原慎太郎。彼が作家として活動していた頃のことです。
ベトナム戦争の取材でベトナムのアメリカ軍駐屯地を訪れた際、将校から南ベトナム解放民族戦線を狙う砲台に案内され、「お前、引き金を引いてみないか」といわれ、「よっしゃ」といって大砲を発射しようとしたそうです。
同行していたカメラマンが慌てて止めたそうですが、そんなエピソードが語られていました。
もしかしたら過去に大きく報じられていたのかもしれませんが、少なくとも僕は全く知らず、なんとなくカリスマ性のある都知事だと思っていました。
もちろんこのエピソードだけ切り取って語ってしまうのは偏った伝え方になってしまいます。
例えば石原さんの功績として、ディーゼル車の規制を強化したことが挙げられます。
言いたかったのは、この本を読むと「なんとなくすごい人」と思っていた人の何が凄いのか、何が問題だったのかという毀誉褒貶(きよほうへん)が分かってくるということです。
改めて、本の感想
やっぱり歴史は面白いなと思いました。
例えば「無印良品、パルコ、ロフトといった企業が実は堤清二のセゾングループから作られた企業だった」といったような、知識と知識が結びつく時の喜びを感じられます。
また、あとがきにも書かれていましたが、最近リクルートが就職辞退率のデータを企業に販売していて「就活生達を裏切った」と報じられました。しかし、もともと江副浩正が創業した際は企業の就職情報を広告にすることで利益を得る会社だったということを知ると、学生ではなく企業がお客さんなんだから問題ないんじゃない?とも考えられます。
マスコミの情報に踊らされることなく、自身で情報を判断していくためにも、歴史は学び続けたいなと思いました。
興味がある人はぜひ手に取ってみて下さい!
Hideakiでした。