紹介する本 | 「LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略」リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 著、池村千秋 訳、東洋経済新報社、2016年10月21日 発売 |
読んだ時期 | 2021年7月(もくもく会でも紹介しました。) |
読んだきっかけ | NHKのラジオ語学番組「実践ビジネス英語」の企画で著者インタビューがあり、興味を持ちました。 |
おすすめターゲット層 | この先2050年の自分は、どんな生き方をしているんだろうと思う方。いわゆるY世代、Z世代の方。「金利が下がったら債権の価格はどうなる?」という質問にあれ?と思った方。 |
ここが伝えたい | 「人生100年時代」と聞くと、キャリアや家族のあり方、老後の暮らし方に漠然とした不安を抱くかもしれません。 未来は不確実です。しかし、勇気を持って自分の心の声を聞き、知識と考え方を身に付けることで、これからの100年時代を楽しんでやる!と前向きになれます。 |
概要
ロンドン・ビジネススクールの組織論学者、リンダ・グラットン氏らによるビジネス書。人生100年時代を迎えるにあたって、今までの「教育→勤労→引退」という3ステージ思考から、いかに脱却するかを説いてくれます。
寿命100年時代、あなたはどう生きますか? 新しい人生戦略を提示した『LIFE SHIFT』。誰もが100年生きうる時代をどう生き抜くか。働き方、学び方、結婚、子育て、人生のすべてが変わる。目前に迫る長寿社会を楽しむバイブルとなる一冊です。
出展:東洋経済新報社HP
構成
本書では、読者がイメージを持ちやすくなるよう、3人の架空の登場人物が設定されています。1945年生まれのジャック、1971年生まれのジミー、1998年生まれのジェーン。
彼らの一生の間には、転職や大学への再入学、企業というイベントが起こると設定されています。それらを通じて、知識や職業上の人脈、健康や人生のバランス、そして貯蓄がどう変化していくかが解説されます。
実在の人物ではありませんが、様々なデータや予測に基づいて具体的なシナリオが設定されています。特に、1998年生まれのジェーンでは、「教育→勤労→引退」という3ステージが完全に壊れている、とされています。過去の経験や考え方が通じない中で、いかに人生を充実させていくか、実感を持って想像することができます。
おすすめポイント
全体を通じて、寿命が100年時代を生き抜くためには、変化に受け身になってはいけないというスタンスです。
このスタンスを読者に身をもって感じさせるために、あえて厳しい表現が多いと感じましたが、特にこれらの言葉が心に刺さりました。
- 人生100年時代では、若者の特徴とされていた性質、つまり「若さと柔軟性、遊びと即興、未知の活動に前向きな姿勢」を、一生涯にわたって保ちつづけなければならない。
- 資金計画は正面から向き合う必要のある問題だ。未来の自分について考えなかったり、複雑な計算ができなかったり、未来の自分への責任を果たさなかったりする人は、十分な資金を持たずに老いる羽目になりかねない。
自分で考えて知識を付けて、考え方を変えていかないといけない。この本のおかげでハッと目が覚める思いがしました。
ただ、だからといって痛みを伴う変化を急激に起こすのは大変です。まずは自己を内省し、毎日のルーティンに落としこめるような計画を立て、少しずつ軌道修正(もしくは転換)させていこう、と前向きに考えられました。
HARU