こんにちは、Hideakiです。
今日御紹介する書籍は、坂村健さんの「痛快!コンピューター学」という本です。
タイトル | 痛快!コンピューター学 |
著者 | 坂村健 |
出版社 | 集英社 |
発売日 | 2002/3/20 |
ページ数 | 384ページ(文庫) |
読んでほしい人 | IT技術に苦手意識のある方 |
なぜこの本を読んだか
皆さんはプログラミングを勉強したいと思ったことはありませんか?
実は僕もそんな儚い希望を抱いた大多数の一人です。
今考えると初心者のくせに大胆というか生意気ですが、業務改善のアプリ(例えば経費精算のような事務書類を探したい時に使えるチャットボットとか)を自分で作れないかなと思ったのです。
しかしいざ勉強し始めると、「そもそもプログラミングってなんなの?」「インターネットってどういうものなの?」「PCってなんで出来たの?」といった根本的なことが気になり始めました。
そこで色々本を調べてみたところ、この本に巡り合ったというわけです。
(ちなみにプログラミングは既に挫折しました)
本の概要
本書が書かれたのは2002年。
こう言うと「なんだ、ずいぶん古い本じゃないか。ITは日に日に進化しているんだから、そんな昔の本を読んだって何の参考にもならないぞ」と思う方がいるかもしれません。
僕もそう思っていました。
しかし、侮るなかれ。
この本はまるで現代の予言書です。
坂村さんはこの時点で既に「どこでもコンピュータ」の思想を持ってTRONプロジェクトというプロジェクトを推進していました。
「コンピュータはどんどんと小型化し、デスクトップのみならず色々な物に入り込んでいく。」
まさしく今我々がIoT(Internet of Things)と呼んでいるもののことではありませんか。
ちなみに執筆当時は東京大学の教授で、2021年現在は東大名誉教授です。
予言だけで終わっていればオススメはしません。
というより、この本の趣旨は予言ではありません。
この本が教えてくれるのは、なぜ掴みどころのないコンピュータというものが誕生し、なぜ私達の生活を一変させてしまうほど画期的な発明となったか、ということです。
例えば有名な話ですが、コンピュータの誕生には戦争が大きく関わっています。
第二次世界大戦に参戦したアメリカは、資本力こそあるものの、戦争のノウハウを持っていませんでした。
特に敵地を攻撃する砲弾がどのように飛ぶか、計算するのに莫大な時間がかかっていました。
「そのぐらい計算できないのか」と思われるかもしれませんが、砲弾の重さ、空気抵抗、摩擦、風など様々な要素をタイムリーに計算するのは想像以上に大変だそうです。
そこでその莫大な計算を効率的に進めるための計算機として研究開発が行われたのが、コンピュータでした。
余談ですが、最初の実用的なコンピューターの発明者はアメリカのモークリー、エッカート、そしてノイマンの三人だとされています。
「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」という映画を観られた方は、「あれ、そんな名前だったっけ??」と思われたかもしれません。
あの映画ではイギリスのアラン・チューリングという人があたかも発明したかのように描かれています。
しかし実際には、彼の業績は戦後長らくイギリスの最高国家機密とされたので、知られることなく終わってしまったそうです。
参考「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
ここから先は私の文章力で伝えられる自信がないため本書に譲りますが、こんなふうにコンピュータの知識がなくても読み進められるように書かれています。
改めて、本の感想
この本を読んで何が良かったのかなと振り返ると、IT技術に対するちょっとした自信が得られたことじゃないかと思います。
もちろんこの本を読むだけで専門家になれるわけではありません。
ただ、IT技術に対する漠然とした恐れや畏怖のような気持ちは、かなり軽減されたように感じます。
私のように「IT技術に苦手意識があるけど、このままじゃ時代に置いていかれる!」と焦りを感じている方には、最もお勧めできる書籍です。
また、優れた専門家ほど簡単な言葉で分かりやすく伝えるのが上手いと改めて実感しました。
興味がある人はぜひ手に取ってみて下さい!
Hideakiでした。