仕事に活かす

なぜセルフトークはネガティブな感情をコントロールできるのか

タイトルセルフトークマネジメントのすすめ
著者鈴木義幸
出版社日本実業出版社
発売日2008/5/1
ページ数163ページ
読んでほしい人ネガティブな感情を引きずって仕事の質が下がったことがある人

なぜこの本を読んだか

お恥ずかしながら、上司から仕事のやり方を指導された時に素直に受け容れられないことがあったため、そんな自分をなんとかしたいと思って手に取りました。著者の鈴木さんは私が受けているコーチングの会社の社長さんでもあるので、コーチングの勉強にもなるかなと思いました。

どんな内容か

セルフトークとは何か、そしてセルフトークをどのように使えば感情をコントロール出来るかを説明してくれます。

まずセルフトークについて簡単にご説明します。例えば上司から「もっと頻繁に報告をしてほしい」と言われ、私はそれにイラッときたとします。その時の私の心の中を分解すると、以下のようになります。

①刺激 上司から「もっと頻繁に報告をしてほしい」

②私のビリーフ(アイデンティティ、価値観、世界観)が解釈

③セルフトーク 「なんで報告に時間を割いて仕事を遅らせるんだ?」

④感情 イライラ

⑤行動 (感情を押し殺して)「分かりました」

カッコ悪いですがこんな感じです笑。

本書で取り扱うのはもちろん③のセルフトークですが、世の中には②、④、⑤に対するアプローチもあります。②に対するアプローチは自己啓発セミナーなど、④はポジティブシンキングやアファメーション、⑤は認知行動療法と呼ばれるものです。本書ではなぜこれらのアプローチが上手くいきづらいのかも説明してくれます。鈴木さん自身がアメリカで臨床心理士の学ばれたということもあり、ロジカルに説明してくれるので納得のいく内容でした。

さてセルフトークに話を戻すと、本書ではセルフトークの変え方、使い方、減らし方、無くし方を教えてくれます。例えば変え方について少し触れますと、上記の例だと以下のような変え方が考えられます。

①刺激 上司から「もっと頻繁に報告をしてほしい」

②私のビリーフ(アイデンティティ、価値観、世界観)が解釈

③セルフトーク 「なんで報告に時間を割いて仕事を遅らせるんだ?」「仕事の質を上げるにはどうすればよい?」

④感情 イライラ イライラはなくなり、次にどうすれば良いかを考える。上司に報告することで有益なアドバイスを得られ、仕事の質を上げられるかもしれない。

⑤行動 (感情を押し殺して)「分かりました」 上司に随時報告してフィードバックを受ける。

もちろんこんなに上手くいくことばかりではありませんが、自身の中にセルフトークがあるということを認識するだけで、驚くほど冷静に対処できるようになります。嘘だと思って、感情が沸き起こった時に自身の中にどんなセルフトークが起こったか、振り返ってみて下さい。

どんな人に読んでほしいか

やはり私のように感情のコントロールに課題を感じている人に読んでほしいです。この方法は「とにかくポジティブに行動しよう」といった綺麗事ではなく、現実的な対処方法を教えてくれます。鈴木さんの文章も柔らかくて読みやすいので、興味を持った方はぜひ読んでほしいです。

Hideakiでした。

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