考える

事業を創る人の大研究

日本の大企業のうち、中期経営計画で中長期的に取り組むべき重点テーマとして新規事業を掲げている企業は90%を超えるらしい。90%って結構な割合だし、サラリーマンでいるうちのいつかは新規事業に関わるかもしれない。そう考えていくつか新規事業関連の本を読み漁ってたんだけど、中でも面白い切り口だったのが本書。

紹介する本「事業を創る人」の大研究 田中聡/中原淳 著、クロスメディアパブリッシング
ページ数223ページ
読んだ時期2020年ごろ
おすすめターゲット層社内で新規事業に携わっている方やその周囲の方(後者により読んでもらいたい)

多くの新規事業関連本が新規事業の方法論にフォーカスしている。著者が新規事業を成功に導いた体験談が多く、作ろうとする事業や所属する企業が違うと自分に役立つものを見極めるのが難しい。一方で、本書は新規事業を創る人、支える人、育てる組織というHRの観点で切り込んでいる。しかも著者の経験からではなく、多くの生のデータを元に考察がされていて論文感覚で読めて面白い。

マーケット感覚を身につけようの書評でも書いたんだけど、僕たち企業研究者は研究して技術を作ればそれで終わりという時代ではなくなったのかもしれない(そんな時代があったのかは知らないけど...)。研究成果の先にどんな課題解決ができて対価を得られるかを考えたいところ。

本書はあくまで新規事業に関わる人や組織について書かれた本。ではどうすれば良いのかという方法論を知りたい方はこちらがおすすめ。

新規事業の実践論

Maru

-考える

© 2025 Researchers' Bookmark